いつも饒舌な天使が、今日は物静かだ。
ぱたぱたと動き回る体を絡めとり、膝に乗せると途端に大人しくなる。
けして目を、合わせようとしない。
別に珍しい事じゃない、と男は天使の髪を撫でた。
「死にたいのか。」
問うてやればひくりと肩を揺らす。
怯えたような視線が何かをねだるように見上げてくる。
たまらなくてその目を手のひらで隠した。
「寝ちまえよ。俺も寝る。」
眠りは死に似てるぜ、と言えば天使は体の力を抜いた。
腕に絶望を抱いて神は眠る。
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