女が眠る場所を男は知らない。
いつも気付けば腕からいなくなり、そして現れる。
男は眠りそのもので、女はその闇に訪れる蝶だ。
「眠れ。」
掠れた男の声に、女は三日月を描く。
抵抗もせず抱かれ、目を閉じてみせる。
ゆらゆらと闇にたゆたうように。



腕に夢を抱いて神は眠る。