ゆずり葉を受けたのです

悲しむばかりの貴方は愛しい
かなしい人をいとおしむ言葉が
この国にはあったのですね
長い間眠っていった後の眩しささえ感じます

貴方には貴やかな言葉は必要ないでしょう
そのままに紡がれる言葉の端々にあるりくりが輝いて

ゆずり葉を受けたのです
私は貴方から
優しい

太古の言葉の美しさを忘れません
これからも生まれていく言葉を私は待ちましょう
しかし貴方には
必要ないのかもしれません

流麗に紡ぐ旋律よりも
心に近い呟きのような
そんな声が貴方には似合うでしょう

貴方の葉はそうしてたくさんの人にゆずられるのですから
菩提樹の詩が私に届いたように


――ゆずり葉を、受けたのです