赦して下さい
吐く息に込めて呟かれた

赦しを乞うにはあまりにも小さく

揺れる視界
頼りなく遡る記憶

罪の意味を知らない私は

許しを乞う横顔を
徐々に熱を持つ眸の意味を
考えていた

貴方の為にしか生きられない
声は熱い吐息に押し出され

譫言のよう、に
繰り返す

誓いの意味を知らない私、は

その言葉さえ理解できず
ひりつくのどの意味を
考えていた

(嗚呼、いつかの記憶の中)
(護れなかった貴方の慟哭)

私は、赦し方を知らないのです
だから、
明け方の真白の光に問いましょう
恐らくは慈悲深く赦されるでしょう

たとえようもなく愚かな
貴方の願いも
たとえようもなく愚かな
私の無知も


暁が、